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相続対策

2.家族が不動産を所有している場合(権利の分離)

管理する権利は1人に集約し、収益を得る権利を複数人に設定できます。特に不動産収益がある方におすすめです。

事例2

不動産を息子に継がせて、自分は隠居したいです

希望①:有効活用すべき不動産があるが、判断は息子に任せて自分は隠居したい
希望②:自分に万が一のことがあったときに妻の生活資金を用意しておきたい
不動産収益は妻へ。
妻の死後は長男・長女に均等に分けたい
プロフィール 相談者:鈴木 康太
年齢:68歳
家族構成:妻・長男・長女の4人家族
財産状況:収益不動産・土地
家族が不動産を所有している場合のよくあるお悩み
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不動産の生前贈与はお金がかかる

不動産を生前贈与する場合、もらった人に贈与税や不動産取得税など、多額の税金が発生することがあります。
生前贈与の特例で非課税枠を使って贈与する方法もありますが、評価額の高い不動産を複数所有しているような場合は、不動産を受けとる側への金銭の負担をよく考えて贈与する必要があります。

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家族が不動産のことで争う

相続では、法律上「私にも最低限の財産をわけて」と言える権利(遺留分)があります。
例えば財産のほとんどが不動産を占めるような場合、特定の家族にだけ不動産を相続させてしまうと、他の家族が不公平に感じ、遺留分の請求をする可能性があります。
また、収益不動産を1人で相続した家族が、他の家族にきちんと収益を分配しないリスクもあります。
ただし、不動産を共有名義にする場合も注意が必要です。
なぜなら不動産を運用していく上での意思決定が円滑に行われないリスクがあるからです。
例えば、大規模な修繕をしたいときや、建物の立替や取り壊し、売却などは名義人全員の同意が必要となります。
共有者が遠方や海外に居住している、もしくは行方不明の場合などで、名義人全員の意思決定がスムーズに行えないと、不動産の管理が滞り、収益性が落ちてしまう恐れがあります。

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解決策:「隠居したい人を委託者&受益者に設定した信託契約を結ぶ」

【信託契約の内容】
・管理を託す財産(信託財産)は収益不動産と土地
・受託者は長男
・不動産の利益を得る権利は父→妻→長男と長女
・信託契約終了時の信託財産の帰属先は長男と長女


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効果:民事信託は「権利の分離」ができる

民民事信託であれば、自分は隠居し、受託者が自由に不動産を貸したり売ったりすることが可能です。
自分が亡くなったあとの、配偶者の生活費の手配も管理する人に託すことができます。
また、管理する人には贈与税や不動産取得税がかからないので、金銭の負担をかけることがありません。
生前贈与で不動産を贈与すると、贈与税は利益を得る人にかかるので、受けとる側に贈与税がかかる可能性があります。しかし信託契約で、不動産の利益を得る権利は持ち主のままで設定し、管理する権利だけを家族に託すことにしておけば、管理する家族に税金はかかりません。

 

信託に関する税務

収益不動産の利益を得る人(受益者)は親、管理する人(受託者)は家族に設定した信託契約の場合

Q.不動産の所得税の確定申告は誰が行う?
A.親が行います。

Q.親が亡くなったらどうなる?
A.利益を得る権利(受益権)が親から子に移った場合は、相続税の対象となります。

Q.親の生存中に別の人を受益者に変更したらどうなる?
A.みなし贈与として贈与税の課税対象となります。
みなし贈与とは、双方の合意がなくても、実質的に贈与を受けたことと同じように経済的利益があるならば、贈与があったとみなすことです。

Q.親の相続時に受益者を別の人に変更したらどうなる?
A.みなし相続として相続税の課税対象となります。
みなし相続とは、民法で定められた相続財産以外の財産を、相続財産と同等とみなすことです。

Q.信託契約を終了するときはどうなる?
A.契約終了時の受益者が、残った財産の帰属権利者であれば課税はありません。
帰属権利者とは、信託契約終了または解除となった場合に、清算手続きの後に残った財産をもらう人として指定されている人のことです。
契約終了時の受益者が、残った財産の帰属権利者でない場合は、信託終了の原因に応じて贈与税または相続税の課税対象となります。

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