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親族内承継と企業内第三者承継の注意点

2025.04.15| ALL

事業承継には、大きく「親族内承継」「企業内第三者承継」「社外への引継ぎ(M&A)」の3つの方法があります。
かつては親族内承継が一般的とされてきましたが、近年は減少傾向にあり、代わりに企業内第三者承継の割合が上昇しているという報道も見られます。
「親族内承継」と「企業内第三者承継」の特徴や近年の傾向、注意すべきポイントを解説します。

親族内承継の落とし穴

1. 【後継者教育の放棄】結果、孤立して業績悪化

製造業を営む73歳の社長が、45歳の長男に後継を打診。入社後すぐに「好きにやればよい」と放任し、教育を行わずに社長の座を譲った。
その結果、現場を知らない後継者は孤立し、組織全体の士気も低下。最終的には先代が再び教育の先頭に立つ羽目に。

👉 教訓:後継者選定後は「育成」が肝心。放任はリスク。

 

2. 【名ばかりの承継】実権を渡さないことで崩壊

小売業の会長(85歳)は、15年前に息子に社長職を譲るも、株式を移転せずに実権を握り続けた。
意見の対立から息子は心を病んで退職。孫に引き継ぐも、教育をしないまま急逝し、孫は経験不足で経営が混乱。

👉 教訓:肩書きだけの承継では意味がない。「実権移譲」と「育成」のセットが必須。

 

3. 【承継後に発覚】保証人変更が妻の反発を招く

飲食業の経営者が、36歳の長男に代表権を譲渡。しかし「父から長男へ連帯保証人変更」という銀行通知を見た妻が激怒し、長男は1日で辞退。

👉 教訓:家族への情報共有と理解形成が不十分だと、承継は土台から崩れる。

 

4. 【血縁外の親族に承継】価値観のズレが決裂を生む

娘の夫が独立志望だったため、社長が「渡りに船」と承継を打診。しばらくは順調だったが、知識がつくと独自の意見が増え対立。最終的に顧客と社員を引き連れて独立され、競合化。

👉 教訓:「価値観の共有」がなければ、血縁の有無にかかわらず危機に発展する。

 

企業内第三者承継の注意点

親族内承継が減少する一方で、企業内第三者承継は増加傾向にあります。長年勤務してきた役員・従業員ならば、経営理念や方針を継承しやすく、組織の価値観を維持しやすいことが大きなメリットです。

一方で、以下のポイントをあらかじめ整理しておく必要があります。

  1. 親族株主や役員への説明と同意
    • 早期に親族間で調整し、関係者全員の合意を得る。
    • 事後の紛争を防ぐための文書化・ルール化も重要。
  2. 後継者による株式買取りや税負担への配慮
    • 株式を取得する際の資金計画や税金をどうカバーするかを検討。
    • 他の役員・従業員との関係づくりも忘れずに。
  3. 経営者保証の扱い
    • 計画的に「事業の見える化」「経営の磨き上げ」を進め、保証が不要になる健全経営を目指す。

企業内第三者承継は、自社の人材を活かせる反面、ステークホルダー間の調整や株式取得の資金問題など、クリアすべき課題が多いのも事実です。しっかりとした計画と関係者の合意を得ながら、円滑に進める工夫が欠かせません。

いずれの承継方法を選ぶにせよ、事前準備と関係者とのコミュニケーションが鍵を握ります。

  • 後継者の育成期間を確保し、経営理念や方針を共有する。
  • 経営基盤を磨き上げ、後継者が安心して引き継げる環境を整える。
  • 親族や社内外のステークホルダーと十分な話し合いを行い、将来的なトラブルを回避する。

こうした取り組みを通じて、円滑で持続可能な事業承継を実現しましょう。

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(受付時間9:00~17:30)

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