HOME > TOPICS > リバースモーゲージで“老後資金 × 相続負担ゼロ”を両立する事例
「親の老後が心配。でも家を売らずに資金を確保し、子どもに迷惑をかけたくない」
そんな悩みを、「自宅は残し、負債は残さない」資金設計で解決します。
「通常の融資と何が違うのか?」
「本当に子どもに借金を残さずに済むのか?」
「どんなメリット・デメリットがあるのか?」
Jさんのケースを通じて老後資金を確保しつつ相続人に負担を残さない選択肢を、専門家の視点でわかりやすく解説します。
自宅(持ち家)を担保に毎月または一括で融資を受け、契約者死亡時に自宅を売却して元本と利息を精算する高齢者向けの資金調達法です。
| 項目 | リバースモーゲージ | 一般の住宅/リフォームローン |
|---|---|---|
| 毎月返済 | 利息のみ、または不要 | 元金+利息を毎月返済 |
| 返済期限 | 契約者死亡時が原則 | 10〜35年で完済義務 |
| 担保評価 | 概ね時価の50〜60% | 70〜80%まで可 |
| 相続時の扱い | ノンリコースなら不足分免除 | 残債は相続債務として承継 |
| 金利水準 | 変動 3〜4%台が目安 | 住宅ローン:変動 0.4〜1%台 |
リバースモーゲージは“返済を後に回す高金利ローン”。仕組みを理解し、ノンリコースと転換条項を組み合わせれば、老後資金と相続負担ゼロを両立できます。
老後資金・住まい・相続—この3つを同時に守るために、まず何をどう動かせばいいのか。以下の実践ステップで「今日からできる具体策」を確認しましょう。
融資限度額は「評価額のおおむね半分」が目安。(=LTV:Loan To Value/担保評価比率)
“55%”は金融機関が安全のために設定する割合。
この範囲内なら家を売れば完済できる見込み。
年金+8万円で生活費を底上げし、貯金を温存。
必要に応じ一部を一括受取も可。
固定資産税や修繕費も受取資金から捻出すれば “住まいを活かして暮らしを守る”構図が完成。
Loan To Value=融資額 ÷ 不動産評価額。
例では 2,000 万円 ÷ 3,800 万円 ≒ 55%。この割合が低いほど、家を売却したときに残債を一掃しやすく、相続人に請求が及びません。
契約後に後悔しないためには、メリットだけでなく金利・資産価値・寿命・家族合意の4領域で起こり得るリスクを知り、あらかじめ対処策をセットで用意しておくことが不可欠です。
| リスク | 内容 | 対処策 |
|---|---|---|
| 金利上昇 | 変動金利3→5%で利息負担が1.6倍 | 固定金利型を選択/金利上限付スイッチ条項 |
| 不動産価値下落 | 地域価格−20%で借入枠減少 | 申込時にLTV50%以下で余裕を持つ |
| 長寿リスク | 95歳まで生存→融資枠が枯渇 | 枠枯渇時のリースバック転換条項を明記 |
| 相続人の同意 | ノンリコースでも売却手続は必要 | 生前に家族会議+合意書作成/信託活用 |
では、リスク対策まで織り込んだとき 実際のキャッシュフローはどう変わるのかを見てみましょう。
自宅評価額・借入上限・受取額・残債・売却予想額を時系列で試算し、「毎月いくら使えて」「相続時にいくら残るか」を一目で確認します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 自宅評価額 | 3,800万円 |
| 借入限度(LTV55%) | 2,090万円 |
| 月額引出(変動金利3.5%・残存15年想定) | 約8万円 |
| 77歳時〜平均余命まで(11年)受取総額 | 約1,050万円 |
| 死亡時(88歳想定)の残債 | 約1,200万円 |
| 売却予想額(年1%下落) | 約3,366万円 |
| 子どもへの請求 | ノンリコースのため 0円 |
Jさんは月8万円×11年間=約1,050万円を自宅から引き出しつつ、死亡時には売却代金で残債を完済し、さらに約2,100万円を遺族が受け取れる計算です。つまり「老後の生活費を確保しながら、子どもに借金も手続き負担も残さない」という二つのゴールを同時に達成できる見通しが立ちました。
自宅を活かしたリバースモーゲージは、
① 住み続けながら安定した資金を得る
② 相続時の負債をゼロに抑える
③ 余剰資金で介護・贈与まで視野に入れた資産運用を可能にします。
成功の鍵は「ノンリコース型をベースに、金利・物件価値・長寿・家族合意の4大リスクを事前に塞ぐ」こと。シミュレーションとチェックリストで数字と手順を可視化し、家族で合意形成したうえで専門家へ相談すれば、老後と相続の不安は大きく軽減できます。
※なお、本記事はリバースモーゲージをお勧めするものではありません。 また、融資制度や条件は金融機関によって変わります。 詳細は各金融機関にご確認ください。
