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ビットコインの相続に関するQ&A

2025.12.1| ALL

Q1. ビットコインを相続したら相続税はかかりますか?

A: はい。ビットコインを含む暗号資産も、現金や不動産と同様に「経済的価値のある財産」として相続税の課税対象になります。デジタルな財産であるため「税務署に見つかりにくい」「相続税の対象外だ」と誤解されがちですが、それは法的に誤りです。国税庁には暗号資産交換業者(仮想通貨取引所)に対して取引情報の照会を行う権限があり、被相続人の取引履歴はしっかり把握される仕組みが整っています。したがって、申告せずに済むことはなく、暗号資産も他の資産と同様に適正に申告しなければなりません。

 

Q2. 相続した暗号資産の評価額はどのように算定されますか?

A: 相続税評価額は、被相続人の死亡時点における暗号資産の時価によって算定します。ビットコインのように活発な市場が存在する暗号資産であれば、死亡日時点の暗号資産交換業者(取引所)における取引価格が評価額となります。被相続人が複数の取引所を利用していた場合は、相続人はいずれか任意の取引所の価格を選択して評価することが認められており、最も低い価額の取引所を選ぶことで評価額を抑えることも可能です。なお、上場株式の相続で認められている「死亡月の前後3ヶ月の平均価額のうち最安値を評価に採用できる」という特例は暗号資産にはなく、死亡日の一点時価評価のみとなります。そのため、価格高騰のタイミングで相続が発生した場合には、非常に高い評価額に基づく相続税を負担しなければならないリスクがあります。

暗号資産に活発な市場が存在しない場合(取引量が少なく客観的な相場が形成されていない場合)は、その暗号資産の性質や取引実態を考慮して個別に評価することになります。具体的には、実際の売買契約の例や専門家(鑑定人・税理士等)の意見による評価額を参考に算定するといった方法です。市場価格を直接把握できない資産では評価に専門的判断が必要となるため、ケースバイケースで慎重に評価額を定めることになります。

※一般的に、被相続人が特定の取引所(A社)に預けていた暗号資産については、原則としてその取引所(A社)が発行する残高証明書等の価格(A社の取引価格)で評価します。A社にある資産を、勝手にB社の(低い)価格で評価することは、税務署に否認されるリスクがあります。 「任意の取引所の価格を選択できる」のが確実なのは、「ウォレット(個人管理)で保管していた暗号資産」を評価する場合です。この場合は、被相続人が利用していた取引所や主要な取引所の中から、納税者が合理的に選択(安値の取引所を選択)することが認められています。

 

Q3. 相続した暗号資産の取得費(コスト)はどうなりますか?相続時の時価にステップアップされるのでしょうか?

A: いいえ。相続により取得した暗号資産の取得費(購入時の元値)は、相続時点の時価にリセット(ステップアップ)されることはなく、被相続人が取得したときの価格をそのまま引き継ぐことになります。これは所得税法第60条の規定によるもので、日本の税法では相続や贈与で取得した資産について被相続人(贈与者)の取得時簿価を継承するルールが明確に定められているためです。したがって、相続した暗号資産を後日売却する際には、被相続人が購入したときからの値上がり益に対して丸ごと所得税・住民税(総合課税)が課税されることになります。相続時に時価評価され相続税を支払ったにもかかわらず取得費がステップアップされないため、被相続人が生前蓄積した含み益部分にまで再度課税されてしまう点に注意が必要です。

なお、被相続人の購入時期や取引履歴が不明で取得費を証明できない場合には、税法上は売却額の5%相当額を強制的に取得費とみなす規定(概算取得費)があります。たとえば取得費が不明なまま1BTCを1,500万円で売却すると、その5%の75万円しか経費計上できず、残り95%(1,425万円)が利益とみなされます。このように取得費の証明ができないと極端に不利な計算となるため、取引履歴の保存や把握も重要です。

 

Q4. 相続税を支払って取得した暗号資産を売却するとき、取得費加算の特例で税負担を軽減できますか?

A: いいえ。残念ながら、暗号資産については相続時に支払った相続税分を取得費に加算して売却益の税金を軽減する「取得費加算」の特例を利用することはできません。この特例(租税特別措置法第39条)は、相続または遺贈により取得した財産を売却した場合に一定の計算でその相続税相当額を譲渡所得の取得費に加算できる制度ですが、適用対象は譲渡所得として課税される資産に限られます。暗号資産の売却益は給与や事業所得などと合算される雑所得扱いとなり譲渡所得ではないため、取得費加算の恩恵を受けることができないのです。したがって、相続税を払って取得した暗号資産を売却しても、相続税を支払ったことによる所得税上の優遇措置は何もありません。払った相続税と売却益に対する所得税・住民税はそれぞれ独立して課されることになります。

 

Q5. 相続した暗号資産を売却すると、相続税と所得税が二重に課税されて合計で資産価値を超える(110%超の)税負担が生じることもあると聞きましたが、本当ですか?

A: はい。そのような極端なケースも理論上は起こり得ます。暗号資産についてはまず相続時に、その時価評価額に対して最高で55%の相続税が課されます。
さらに相続人がその暗号資産を売却すると、引き継いだ取得費が低いために生じる売却益(被相続人の生前の含み益部分を含む)に対して、最高で約55%(所得税45%+住民税10%)の税金が課されます。

例えば、被相続人がごく僅かな価格で取得したビットコインが相続時に評価額1,000万円となっていたケースでは、相続税で約550万円、続いて売却益に対する所得税・住民税で約550万円が課され、合計税額は1,100万円に達します。
結果として、資産価値(1,000万円)を上回る税負担が生じる計算になり、相続人にとって経済的に大きなマイナスとなり得るのです。これは一つの資産価値(特に被相続人が生前形成した含み益部分)に相続税と所得税が重複して課税される構造によるもので、実質的に「二重課税」と言える過酷な仕組みです。

相続した暗号資産を売却した場合の税負担イメージ
内容 課税対象額 税率(上限) 税額
①相続時の評価 1,000万円
②相続税(相続時評価額に課税) 1,000万円 約55% 約550万円
③売却額(相続時と同額で売却したと仮定) 1,000万円
④売却益(売却額-取得費)
※取得費がほぼ0円の極端な前提
約1,000万円
⑤所得税・住民税(売却益に課税) 約1,000万円 約55%
(所得税45%+住民税10%)
約550万円
合計税額 約1,100万円

 

Q6. 被相続人しか知らない秘密鍵を紛失して暗号資産にアクセスできない場合でも、相続税は課税されますか?

A: 原則として課税されるリスクが高いです。ブロックチェーン上にその暗号資産が存在している以上、たとえ秘密鍵を失って相続人がアクセスできなくなっていても「資産そのものは存在する」とみなされる可能性が高いためです。秘密鍵を紛失したことにより事実上アクセス不能であっても、「資産価値が消滅した」ことを客観的に証明できない限り、課税対象から除外されることはありません。
過去の事例や専門家の指摘でも、取引所管理の場合と異なり自分のウォレットのみが残されたケースでは確証を示すことが困難だとされています。
その結果、「引き出せない資産に対して相続税を払わなければならない」という最悪の事態も起こり得ます。暗号資産を保有する方は、生前に秘密鍵の保管方法や継承方法について信頼できる第三者と共有しておくなど、リスク管理も検討すべきでしょう。

 

Q7. 暗号資産の相続に関する過酷な税負担に対して何か対策はありますか?将来、税制が見直される見込みはあるのでしょうか?

A: 現状では抜本的な軽減策は多くありませんが、いくつかの対策や最新動向があります。
例えば、暗号資産を個人ではなく法人で保有する「法人化」による相続対策が注目されています。令和6年度(2024年度)の税制改正では、法人が保有する暗号資産について期末時価評価課税の緩和措置が講じられました。従来、法人が持つ暗号資産は決算時に時価評価され、その含み益に法人税が課されていました。しかし改正により、「短期売買目的でない」「譲渡制限が付されている」等の一定要件を満たす暗号資産については、取得時の原価で評価することが認められたのです。この変更によりスタートアップ企業等の海外流出を招いていた不利な点が解消され、法人が暗号資産を長期保有しやすくなりました。結果として、資産管理会社(法人)を通じて暗号資産を保有し、相続ではその会社株式を引き継ぐというスキームの有効性が高まったと言われています。法人の自社株であれば評価方法(純資産価額方式など)によっては、暗号資産を個人で直接相続するよりも評価額を圧縮できる可能性もあります。ただし、この法人化策はあくまで法人税のルールが緩和されたに過ぎず、個人の相続税・所得税の厳しい課税構造自体は令和7年現在も変わっていません。法人設立や維持にはコストも伴うため、実行に当たっては専門家(税理士等)と十分に検討する必要があります。

将来的な税制改正については、業界団体(日本暗号資産ビジネス協会など)から次のような要望が継続的に提出されています。

  • 暗号資産の売却益を雑所得ではなく株式譲渡と同様の申告分離課税(一律20%程度)とすること
  • 暗号資産の損失について翌年以降への繰越控除を認めること
  • 相続した暗号資産を売却した際に取得費加算の特例を適用できるようにすること
  • 暗号資産の相続税評価において、上場株式と同様に過去3ヶ月の平均価格の最低値を選択可能にすること

しかし、令和7年(2025年)12月の報道によると、政府・与党は暗号資産の税制を抜本的に見直し、一律20%の申告分離課税を導入する方針を固め、令和8年度(2026年度)税制改正の枠組みに盛り込む方向で調整に入っています。 

暗号資産の保有者や相続人は、最新の国税庁からの情報や専門家のアドバイスを踏まえつつ、早め早めの相続対策・納税資金の準備を検討することが重要と言えるでしょう。

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