HOME > TOPICS > 贈与税の特例改正!?省エネ住宅の非課税措置
親や祖父母から住宅購入資金を贈与される際、『高額な省エネ住宅の場合、贈与税がかかるのでは?』と不安を感じたことはありませんか?2024年度の税制改正で、この不安を解消する新しい非課税措置が導入され、省エネ住宅なら最大1000万円の非課税枠が活用できるようになりました。
贈与税の非課税措置とは、親や祖父母(直系尊属)から住宅の新築、購入、または増改築資金を贈与された際に、一定額まで贈与税が非課税となる制度です。この制度は、家族間での資金移動を促進し、住宅取得をサポートすることを目的として導入されています。
非課税枠に関して、2024年度の税制改正でいくつかの重要な変更が行われました。主なポイントは、
項目 | 一般住宅の場合 | 省エネ等住宅の場合 |
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非課税枠の金額 | 改正前: 最大500万円 改正後: 変更なし |
改正前: 最大1,000万円 改正後: 変更なし |
適用期限 | 改正前: 2024年末まで 改正後: 2027年末まで延長 |
改正前: 2024年末まで 改正後: 2027年末まで延長 |
対象住宅の条件 | – 一般的な新築または購入済み住宅 – 省エネ性能等の基準を満たさない物件 |
– 改正前: 省エネ性能、耐震性能、高齢者配慮性能のいずれかを満たす住宅 – 改正後: 対象が拡大 |
具体的な基準 | 特になし | 改正後の変更点: – 断熱等性能等級5以上 – 一次エネルギー消費量等級6以上 |
適用範囲の拡大 | 該当なし | 改正後: – 長期優良住宅、ZEH住宅が対象 – 増改築による性能向上も適用 |
資金用途 | 改正前: 新築または購入住宅用資金 改正後: 変更なし |
改正前: 新築または購入住宅用資金 改正後: 増改築資金も適用 |
メリット | 最大500万円まで非課税措置が適用可能 | 非課税枠が倍増(最大1,000万円)。性能向上住宅を選ぶことでさらなる優遇措置が可能 |
※贈与税の非課税措置は、贈与契約書の作成と適切な申告がない場合、適用されません。
※贈与を受けた後に、住宅が購入できない、または増改築が完了しない場合には、制度が無効となる可能性があるため注意が必要です。
省エネ等住宅とは、エネルギー消費を抑えた設計や構造が施され、環境に配慮した性能を持つ住宅のことです。このような住宅は、2024年度の税制改正によって非課税枠が拡大される対象となり、最大1,000万円までの贈与が非課税となるメリットがあります。
2024年度の税制改正により、省エネ等住宅と認定されるには以下の要件のいずれかを満たす必要があります。
断熱等性能等級5以上 | 最新の住宅省エネ基準を満たし、断熱性能が優れている住宅であること。 |
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一次エネルギー消費量等級6以上 | エネルギー消費量を大幅に抑える仕様で設計された住宅。 |
耐震等級2以上 | 地震に強い設計で、災害時にも安全性が確保される住宅。 |
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免震建築物 | 建物自体が揺れを軽減する仕組みを持つ住宅。 |
高齢者等配慮対策等級3以上 | バリアフリー設計が施され、高齢者が安全かつ快適に生活できる仕様を持つ住宅。 |
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ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅
再生可能エネルギーの活用や高断熱化により、年間の一次エネルギー消費量をゼロにする住宅。
省エネ住宅の代表例として、多くの補助金や税制優遇が適用される。
長期優良住宅
高い耐震性や省エネ性を持ち、長期間快適に住める設計がされている住宅。
申請により「認定長期優良住宅」として認められる。
その他の性能認定住宅
住宅性能評価書や適合証明書を取得している住宅。
省エネ等住宅の基準や要件を満たすことで、最大1,000万円の非課税枠を活用できることがわかりました。実際にこの非課税枠をどのように活用できるのか、様々なケースが考えられますので、詳しくはお問い合わせください。
※贈与契約書や省エネ性能を証明する書類の提出が必要です。
※贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告を完了させる必要があります。
※非課税措置は適用条件を満たさない場合、全額に対して贈与税が課税されるため注意してください。
Q: 贈与税の非課税措置は2024年で終了しますか?
終了しません。
2024年の税制改正により、贈与税の非課税措置は2027年末まで延長されました。これにより、あと数年間は制度を活用することが可能です。ただし、適用条件や非課税枠に変更が加えられる場合があるため、毎年の最新情報を確認することをおすすめします。
Q. 改正前の基準で非課税措置を受けられるケースはありますか?
はい、あります。
2023年12月31日以前に建築確認を受けている場合など、一定の条件を満たす場合は、改正前の基準で「省エネ等住宅」として認められます。このため、新しい基準を満たしていなくても非課税措置を受けられる可能性があります。条件の詳細は事前に確認することをおすすめします。
Q. この特例はいつまで利用できますか?
適用期限は2026年12月31日まで延長されています。
2024年度の税制改正により、この特例の適用期限が2026年末まで延長され、より多くの方が利用できるようになりました。ただし、非課税制度には細かな条件が設定されており、事前の確認が重要です。「いざ適用しようとしたら条件を満たしていなかった」という事態を避けるためにも、早めに専門家にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 非課税枠を超えた場合、贈与税はどうなりますか?
超過部分に対して贈与税が課税されます。
例えば、省エネ等住宅で1,200万円を贈与された場合、非課税枠1,000万円を超えた200万円に対して贈与税が発生します。贈与税率10%の場合、(200万円-110万円)×10%=9万円が課税されます。
2024年の税制改正により、住宅取得資金の贈与税非課税措置は2027年末まで延長されました。この改正により、省エネ等住宅の基準が強化され、断熱性能やエネルギー効率に優れた住宅を取得することで最大1,000万円の贈与税が非課税となります。
贈与税の非課税措置は、家族間の資金移動をスムーズにし、住宅取得や増改築の負担を大きく軽減する非常に魅力的な制度です。しかし、適用するためには、正確な情報と計画的な手続きが必要です。
贈与税の非課税措置を正しく理解し、必要な手続きを計画的に進めることで、家族間の支援をスムーズにし、住宅取得の夢を叶えることができます。この機会を活用して、理想の住まいを手に入れましょう!