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申告期限後3年以内の自社株は譲渡課税と取得費加算

2025.04.29| ALL

3年以内の譲渡で“税制優遇”を最大限活かす方法とは?
非上場会社のオーナーが亡くなった場合、相続人にとって悩ましいのが「株式にかかる相続税」と「納税資金の確保」。今回は、自社株式を会社に買い取ってもらう際の“税務上の落とし穴”と“3年以内の特例活用”を、実際の事例を交えて整理します。

自社株を会社に売ると「配当扱い」になる?

相続などで取得した非上場株式を会社(発行法人)に売却した場合、通常は「譲渡」ではなく「みなし配当」とされます。

つまり、会社が株主に金銭を支払っても、それは「資本の払い戻し」や「配当所得」とみなされ、所得税の総合課税対象に。
特に役員報酬など他の所得が多い人にとっては、最大50%近い高率課税が課されるケースもあるため要注意です。

【特例あり】相続株式なら「譲渡所得」として優遇

しかし、相続などにより取得した株式であれば話は別です。
一定の条件を満たせば、発行会社への売却であっても「みなし配当」とはならず、「譲渡所得課税」が適用されます。

この特例のメリット

  • 所得税+住民税あわせて 一律20.315%
  • 総合課税より大幅に軽減
  • 相続税の納税資金対策として現実的

特例を受けるために必要なこと

この特例は自動では適用されません。
きちんとした書類提出がないと、通常の配当課税扱いになるため、注意が必要です。

手続き 提出者 提出先 期限
「みなし配当課税の特例に関する届出書」 譲渡人(相続人) 発行会社に提出 譲渡の前まで
同届出書(2通) 発行会社 所轄税務署 翌年1月31日まで

※発行会社は5年間の保存義務あり

 

取得費加算の特例も活用できる

さらに、相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月)から3年以内に売却した場合、
譲渡所得に相続税を加算できる特例(取得費加算)も併用可能です。

どう得なのか?

譲渡益(売却価格-取得費)に対して、支払った相続税額の一部取得費に加算=課税対象を圧縮できるため、
実際の税負担がさらに下がる仕組みです。

例:売却益500万円、加算対象の相続税300万円 ⇒ 課税対象200万円に減額可能

この制度は「譲渡所得となって取得費も加算」される、非常に有利な組み合わせです。

生駒社長の判断と学び

奈良産業の生駒社長は、父から非上場株式(自社株)を相続。
納税資金が必要だったため、会社に株式を買い取ってもらうことを検討します。

税理士の西園寺先生に相談したところ、届出書を提出すれば譲渡所得課税になる特例があると聞き、すぐに対応。
また、取得費加算特例も活用可能であることがわかり、「申告期限から3年以内の売却」が重要なタイミングだと理解しました。

生駒社長は、税理士と連携して届出書類の準備を進め、税務署への提出も万全に。
結果、重い課税を回避し、納税資金も確保できる形で自社株の整理に成功しました。

相続自社株の整理は「3年以内」が勝負

課題 対策 税制メリット
相続税の納税資金が不足しがち 発行会社に売却 譲渡所得課税(20.315%)で有利
所得税が高額になる懸念 特例届出で「配当課税」回避 高率課税を回避できる
譲渡益が大きい 取得費加算特例を併用 課税対象額を圧縮

相続によって取得した非上場株式は、手続きや制度を正しく理解して活用することで、思わぬ税負担を回避し、資金面でも有利に対応することが可能です。

「譲渡所得課税の特例」や「取得費加算の特例」は、適切な時期に、正確な書類を揃えて行動することがすべて。

一方で、提出期限を過ぎると一切の優遇措置が受けられなくなる点も、非常に重要です。

後悔しない選択をするためにも、株式の売却を検討する際には、必ず専門家に相談し、事前準備を整えて進めましょう。

0120-033-721
(受付時間9:00~17:30)

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