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会社が個人から買った不動産を登記していないときのリスク

2025.05.1| ALL

企業と代表者個人との間で不動産の売買を行う場合、身内同士だからと油断して登記を後回しにしてしまうケースがあります。しかし、相続が発生して事情を知らない相続人が関わったり、思わぬ第三者に売却されたりするリスクが潜んでいるのです。本記事では、不動産登記を怠ったことで生じたトラブル事例と、そこで学ぶべき事業承継対策について解説します。

失敗事例の概要

問題

社長は自身の所有する事業用不動産を、同族会社に売却しました。ところが、会社は登録免許税や不動産取得税の負担を惜しみ、登記を放置してしまいます。
その後、社長は不動産を会社に売却した事実を家族に伝えないまま亡くなりました。事情を知らない相続人たちは、当然その不動産は社長の所有物だと思い込み、遺産分割で相続の対象に組み入れます。最終的に不動産は相続人の一人が取得することとなり、遺産分割は完了したのです。

結果

ところが、その相続人が第三者へ不動産を売却しようと会社に話を持ちかけた際、実は社長がすでに会社に売却していた事実が判明。相続人一同驚き、遺産分割をやり直す事態に。慌てた会社は、第三者への売却が行われる前に急いで所有権移転登記を済ませることになりました。

 

不動産登記の対抗力とは

不動産登記は、土地や建物の所在・面積・所有者・抵当権などの情報を公示する制度です。
売買契約自体は民法上、契約を結んだ時点で効力が生じるものの、当事者以外の第三者はその事実を把握できません。したがって、

  • 第三者に対する「自分が所有者だ」と主張する手段
  • 所有権をめぐるトラブルの際に「登記先行者が勝つ」仕組み
    として、登記の存在が非常に重要になります。

もし、同じ不動産を売主が二重譲渡してしまった場合、法的には先に登記した買主が所有権を手にすると定められています。後から知った買主は売主に対して代金返還や損害賠償を請求できる可能性がありますが、不動産自体の所有権は取り戻せないのです。さらに、悪意をもって二重譲渡を行った場合には、横領罪や詐欺罪が成立するケースも考えられます。

 

本事例に学ぶ事業承継対策

一般的に、代表者と同族会社の間では「身内同士だから大丈夫」と考え、不動産を売買した後の登記を先延ばしにしてしまうことがあります。しかし、以下のようなリスクを見逃してはいけません。

  • 相続が発生し、事情を知らない相続人が登場する
  • 不動産を「自分のもの」と思い込んだ相続人が第三者に転売しようとする
  • 結果、会社は所有権を主張できず、不動産を失う可能性がある

不動産が基幹工場や重要な店舗など、会社の事業にとって欠かせない資産である場合、取り返しのつかないダメージを受けるかもしれません。せっかく代金を支払って手に入れた不動産を守るためにも、不動産売買後は速やかに所有権移転登記を行うことが何より重要です。身内同士の売買であっても、法的手続きはきちんと完了させましょう。

登記は費用や手間がかかりますが、それを惜しんでしまうと、後々のリスクや損失ははるかに大きくなりかねません。事業承継の円滑化のためにも、所有権移転の手続きは早め早めに進めておきましょう。

0120-033-721
(受付時間9:00~17:30)

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