HOME > TOPICS > データで見る「任意後見」の備え
「もし認知症などで、自分でお金の管理ができなくなったらどうしよう」
預貯金の管理や介護施設との契約、不動産のこと。今は自分でできていても、将来は誰かに任せる場面が出てくるかもしれません。
そんなときに備えて、元気なうちに「誰に」「何を」任せるかを決めておくのが任意後見契約です。
では、実際には何歳くらいの人が契約し、誰に後見を頼んでいるのでしょうか。
法務省が2025年に実施した調査から見てみます。
調査では、任意後見契約を結んだ本人のうち、70代以上が81.7%を占めました。
最も多いのは80代で40.6%、次いで70代が28.8%です。
任意後見は、認知症などで判断能力が低下してから契約する制度ではありません。
自分で契約内容を理解し、「誰に」「何を」任せるかを決められるうちに準備しておく制度です。
「まだ元気だから必要ない」ではなく、元気な今だから話しておけることがあると考えた方がよいでしょう。
一方、任意後見を引き受ける人は、
となっており、40〜60代で81.0%を占めています。
※受任者が法人の場合を除いています。
法務省「任意後見契約に関する公証人の実態調査」より作成
親が70代、80代になり、40代から60代の子どもが将来の財産管理について一緒に考える。そんなケースも想像しやすい数字です。
ただし、任意後見人は家族である必要はありません。
親族のほか、弁護士や司法書士などの専門職、法人に依頼することもできます。
任意後見では、あらかじめ契約で決めた範囲について、本人に代わって手続きをしてもらえます。
たとえば、
などです。
大切なのは、何でも自動的に任せられるわけではないこと。
誰に頼むかだけでなく、何を頼むかまで元気なうちに決めておく。
そこが任意後見のポイントです。
任意後見契約を結んでも、その日から後見人がお金を管理するわけではありません。
本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所への申し立てを行い、任意後見監督人が選任されてから任意後見が始まります。
つまり、
という流れです。
契約して終わりではなく、将来、必要になったときに制度を動かすところまで考えておく必要があります。
任意後見人を選ぶときは、年齢や続柄だけでは決められません。
自分の考えを理解してくれるか。
お金の管理を任せられるか。
将来も連絡を取り続けられるか。
家族に頼むのか、専門家に頼むのかも含めて、一つの正解があるわけではありません。
法務省の調査では、任意後見契約を結んだ人の8割以上が70代以上でした。
だからこそ、70代になってから考えるのではなく、親のこれからや自分の老後が気になり始めたときに、一度家族で話してみる。
それが任意後見を考える最初の一歩です。
法務省「任意後見契約に関する公証人の実態調査」(2025年12月公表)
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00319.html
