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HOME相続対策 > 【民事信託の事例4】障がいのある家族がいる場合(遺族の生活保障)

相続対策

4.障がいのある家族がいる場合(遺族の生活保障)

認知症・障がいのある家族の将来を守れるので、自分の亡き後の家族の生活の工面も安心です。

事例4

障がいのある子どもの将来の生活費について悩んでいます

希望①:自分の死後、長男の生活費の工面が心配なので対策を考えたい
希望②:長女にあまり負担をかけたくない
希望③:自分と長男亡き後の財産は長女にのこしたい
プロフィール 相談者:杉山 孝一(父)
年齢:65歳
家族構成:子3人(長男・長女・次女)長男に知的障がいがある、長女は長男の面倒を見ている、次女は海外在住
財産状況:自宅・預金・金融資産
障がいのある家族がいる場合によくあるお悩み
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障がいのある家族の生活保障

もし何の対策もとらずに相続が発生した場合、長男は遺産分割協議を理解して押印することができないため、成年後見人※を申し立てる必要があります。
成年後見人の申し立ては、約1ヶ月、もしくはそれ以上の時間がかかるため、後見人が決まるまでの間、長男の生活保障がスムーズに行われないリスクがあります。
また、もし長女に全ての財産を相続させたとしても、長男の面倒を生涯みてくれる保障がありません。

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障がいのある家族を支える人の負担

このケースの場合、もし父が衰えたり、死亡した場合に長女に大きな負担がかかる可能性が高いので、長女の負担を軽減させる対策が必要となります。
また、もし父の相続で長男にも財産を相続させ、将来長男が亡くなったときに、長男の財産は法定相続人である長女と次女に半分ずつ相続されることになります。
ですから、もし長男亡き後の財産を世話してくれた長女にのこしたいと思っても、長男は遺言書を書くことができませんから、長女にだけ財産をのこす術がありません。

※成年後見人とは
認知症などで判断能力が不十分な人の代わりに手助けする人のこと。
例えば、不動産を貸したり売ったりするときや、財産のわけ方を決めるときなど、契約を結ぶ必要があるときに、代わりにハンコを押したり、財産を管理してあげたりします。

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解決策:「障がいのある子の世話をお願いする人を受託者にして信託契約を結ぶ」

【信託契約の内容】
・管理を託す財産(信託財産)は自宅と金融資産
・利益を受ける人は父→長男→長女の順番
・信託契約終了時の信託財産の帰属先は長女


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効果:民事信託で「遺族の生活保障」ができる

例えば生前贈与だと、贈与した後の財産は受け取った側のものになり、贈与した人が関与することはできません。
しかし民事信託では受益者を自分に設定しておけば、生存中は自由に財産を使用できます。
このケースの場合は、父と第3者(例えば司法書士)の2人を長男の成年後見人とする法定後見人選任申し立てをしておくことで、自分が生存中は自分で長男の生活費を工面でき、自分が亡き後は司法書士に長男の生活費の工面をお願いできます。
長女には自宅や金融資産の管理だけを設定しておくことで、父に万が一のことがあったときに長女に過度な負担をかけないようにできます。
また、遺言が書けない長男に父の預金を信託財産として遺すことで、長男亡き後に長女と次女で遺産分割協議をする余地を排除することができ、確実に長女に財産をのこすことができます。

※任意後見制度でも解決できます
家庭裁判所に後見人を決めてもうらのではなく、自分で後見人を決める制度を任意後見制度と言います。
成年後見制度よりも柔軟性があります。
任意後見制度では任意後見監督人(チェックする人)を付ける必要があり、任意後見人は監督人へ定期的に報告する義務があります。監督人に対して月々1~3万円の報酬を支払う必要がありますが、成年後見人への報酬よりも低いケースがほとんどです。売却の代理権があれば、任意後見人になった家族が家庭裁判所や監督人の同意無しに売却可能ですが、必要ないのに売却等をすると事後的に問題となるリスクがありますので注意しましょう。

 

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